ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第35話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

遥「実は、もう部屋も決めてあるんだ。」

 

 遥はポケットから鍵を取り出す。

 

由奈「どんな部屋なの?」

 

 そういいながら、紅茶をいれる由奈。

 

 あ〜ぁ、もういつもの由奈に戻ってるよ。

 さっきはあんなに熱いキスしてたのに・・・

 そう思う心に遥はふたをして、物件の広告を見せながら由奈に説明する。

 

遥「部屋は3つあるんだ。6畳の和室が2部屋。そして6畳のフローリングが

  1部屋。キッチン・バス・トイレ付き。いい物件だろう?」

由奈「へぇー。でも高くないの?」

 

 そう言ってオレの前にマグカップを置く。

 

遥「大丈夫。家賃はふたりで払えば何とかなるんだ。」

由奈「そっか。」

遥「うん。」

由奈「ねぇ・・・」

 

 突然、由奈は指をからめてきた。

 

由奈「愛してる・・・」

 

 ふたりは再び唇を重ねた。

 

 

 

 

 

 ピンポーン

 

 ドアチャイムの音で由奈は我にかえった。

 

由奈「遥、お客さんみたいだよ。」

遥「あ、あぁ・・・」

 

 何だよ・・・こんな時に・・・

 

遥「どなた?」

 

 インターフォン越しにたずねると、聞きなれた声が返ってきた。

 

うめ「遥かい?ばぁちゃんじゃよ。」

遥「えっ?」

 

 あわてて玄関の扉を開けると、そこには確かに祖母のうめがいた。

 

うめ「夕子さんとケンカしてしまって・・・一晩泊めてくれないかのぉ。」

 

 母さんとケンカ?

 そんなこと今までなかったのに・・・

 

 遥が返事をしないうちに、うめはずかずかとあがりこんだ。

 

 

 

 


Copyright 2005 星野さゆる. All rights reserved.

Never reproduce or republicate without written permission.