ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第34話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 2年生へ進級する頃になると、由奈はほとんどの生活用品を遥の部屋へ持ち

 込んでいた。

 あの日以来、きちんと勉強もするようになった由奈を、遥は追い出すことが

 できなかった。

 

 遥は今も、由奈に指一本ふれていなかったが、それももう限界に近かった。

 そこで、遥はかねてから考えていたことを由奈に切り出した。

 

遥「由奈、オレもっと広い部屋にうつろうと思っている。」

 

 それって私に出て行けっていうことなのかなぁ・・・

 

遥「由奈も自分の部屋をひき払わないか?」

 

 どういうこと?

 

遥「もっと広いトコで暮らそう・・・」

由奈「え゛?」

 

 遥は大学生になってからはじめて、由奈の指にふれた。

 そしてその両手を握った。

 

遥「由奈、好きだ。やっぱりお前のことを愛してる。

  オレ、この部屋で暮らしてたらお前のこと・・・・・

  犯してしまうかもしれない。」

 

 遥・・・

 

 一層強く握って遥は言葉を続ける。

 

遥「でも、お前と離れたくない。いっしょに暮らしていたい・・・」

由奈「遥がゆるしてくれるなら、恋人に戻りたいよ。私・・・」

 

 私、遥とならどこまでもいけるよ。

 ずっと自分がゆるせなかった。

 でも今は考えが変わったんだよ。

 遥と暮らしていて、私生まれ変われたんだよ・・・

 

 由奈は遥の首にすがりつくように抱きついた。

 

遥「由奈・・・」

 

 遥はそれにこたえるように、由奈の額にKissした。

 そしてふたりは唇を重ねた。

 

由奈「引越しは賛成よ。この部屋レポート書くときちょっと辛いから。」

 

 そう言って由奈はほおを染めた。

 

 そんなかわいい表情(かお)して・・・もぉ・・・

 

 遥は由奈の顎をつかみ、もう1度くちづけた。

 由奈は遥の背中をしっかと抱いてつぶやいた。

 

由奈「好き・・・大好き・・・」

 

 由奈・・もう離さないからな・・・

 

 ふたりはそのまま10分ほど抱きあっていた。

 お互いに離れがたくて・・・

 

 

 

 


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