ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第31話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 6月―。

 

由奈「お父さん、お願いがあるの。」

秋生「何だ?」

由奈「私、やっぱりひとり暮らしがしたい。」

 

 由奈は思い切って話を切り出した。

 

秋生「そうか。」

由奈「やっぱり駄目?」

 

 ドキドキしながら父・秋生の顔色をうかがう由奈。

 

秋生「・・・」

 

 秋生は黙り込む。

 

由奈「私ね、愛里さんとはうまくやっていると思う。でも・・・」

秋生「瀬田さんとうまくやっているならいいじゃないか」

由奈「うまくやっていると思うけど、時々疲れちゃうの。

   私は彼女みたいに優秀じゃないから。時々ひとりになりたいと思うの。」

秋生「『疲れる』か・・・。そうだな。父さんにもわかるよ。」

 

 秋生は学生時代のことを思い出していた。

 秋生は学生の頃、男ばかり3人で共同生活をした経験があった。

 先輩ふたりとの生活は、楽しく勉強になることも多々あった。

 が、時々ふとひとりになりたいと思うことがあった。

 

由奈「お父さん、お願いっ!!」

秋生「そうだな、わかった。きちんと勉強するって約束できるな?」

由奈「もちろんよ!お父さんありがとう!」

 

 由奈は父を説きふせ、ひとり暮らしをはじめた。

 

 

 

 


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