ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第30話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 出会ったばかりの愛里と暮らすことになった由奈。

 暮らしはじめてから知ったことだが、彼女はかなり優秀な学生だった。

 

 そして由奈はこのことを父に報告しなければならなかった。

 

 

 

 

 

由奈「お父さん、どうしても寮での生活に耐えられなくて・・・。

   今は瀬田さんていう4回生の先輩のトコにお世話になってるの。」

 

 お父さん、お願い。

 『寮に戻れ』なんて言わないで・・・

 

 由奈は祈るような気持ちで話しはじめた。

 

秋生「あぁ、寮母さんから聞いたよ。

   瀬田さんはとても優秀な学生だそうじゃないか・・・」

 

 意外な反応に、由奈はおどろいた。

 

 

由奈「あ・・・うん。」

秋生「来週、父さんも川崎へ行くよ。瀬田さんにごあいさつしないと、な。」

 

 え、いいの?

 そんなカンタンにゆるしてくれるの?

 

 

 

 

愛里「由奈、来週なんだけど・・・」

由奈「来週、何かあるんですか?」

愛里「彼が来るの。」

由奈「週末ですか?」

愛里「えぇ、金曜の夜から・・・」

由奈「わかりました。」

 

 

 愛里には、一流商社に勤める彼がいた。

 週末になると、ほとんど愛里の部屋に通ってくるようだった。

 そのため、由奈は週末のほとんどを友人の家ですごしていた。

 

 愛里さんはいい人だけど、毎週寝床探しをするのはキツイなぁ。

 せっかくの休日だから、きちんと眠りたいし、勉強もしたい。

 やっぱり、お父さんを説得してひとり暮らしするしかないのかなぁ・・・・。

 

 

 

 


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