ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第28話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

「智菜・・・・・・。」

 

 由奈は智菜のもとへ駆け寄った。

 

「由奈・・・わたし・・・ごめんなさい。

 ずっとずっと、どうあやまったらいいのかわかんなくて・・・

 何もできなかった。バカだった、わたし。」

 

 由奈は智菜を抱きしめた。

 

「バカだったのは私なの。智菜・・・あたし・・・・・・」

 

 ふたりは抱きあって、たくさん泣いた。

 

 智菜は和馬のことで浮かれていたと話し、由奈はみちるのことなどで

 イライラがたまっていたことを話した。

 由奈はそのストレスを智菜にぶつけてしまったことをあやまり、

 智菜は今度のことで自分に一番大切なのは、由奈との友情だとわかったと

 あやまった。

 

 そしてお互いをゆるしあった。

 由奈の心にも智菜の心にも大きな安堵感があった。

 

 客人が宿泊することを禁じる寮の規則があるにもかかわらず、寮母さんの

 特別な計らいによって、その夜、智菜は由奈の部屋に泊まった。

 そしてふたりは朝まで語りあった。

 

 

 

 

 

 次の朝、智菜は水を得た魚のように生き返った姿で鎌倉の街へと帰っていった。

 

 智菜の心は満たされていた。

 

 由奈のいない人生なんて、考えられないよ、やっぱり。

 ごめんね、和馬クン。由奈の次は君だから、ゆるしてネ。

 

 

 由奈も久々にしあわせな気分だった。

 胸のつかえがとれたのだから・・・

 

 

 

 


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