ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜
3.解けない謎
第19話
Writer:星野さゆる
リカ「明日が授業料の振込みしめきり日なのは知っているわね。」 由奈「う、うん。」 やっぱり、知っていたのね、由奈。 リカは意識して由奈を睨みつける。 多恵子「由奈ってさぁ、ちょっと甘えすぎじゃないかなぁ? 由奈のお父さん、ムダにお金を振り込んじゃうかも知れないんだよ。」 知っていたんだ。ひどいな、由奈。でもここは冷静に話さなきゃ。 リカ「それだけじゃない。遥くんにだって迷惑かけてるんでしょう? 由奈は人に迷惑をかけて平気な人じゃなかったはずだけどな。」 由奈「でも・・・・・・」 リカ「でももヘチマもないでしょう。今日中に決めなさいよ! 決まらなかったら絶交だからね。」 リカは声を荒らげた。 多恵子「じゃ、大学行ってもがんばってね。」 多恵子はにんまり笑う。 由奈「それって・・・『大学に行け』ってこと?」 多恵子「由奈、何のために一年間がんばったの? 由奈のお母さんだってきっと、それを望んでると思うよ。 いつまでもしょげてないで、しっかりしなさいよ。」 由奈「多恵ちゃん・・・・・・」 リカ「ま、そーゆーことよ。 それに、当分あんたは遥くんの近くにいた方がいいと思う。 あんたの気持ちの整理がつくまで支えていく自信、正直ない。」 由奈「わかった。ありがと、リカ。ありがと、多恵ちゃん。」 |
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