ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第14話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 リカはイライラしていた。

 由奈が傷ついていることは、痛いほどにわかっていた。

 不幸な事故で目の前で母親を亡くしたことは、心の傷にならないはずがない。

 しかし、それだけであんなに弱気になってしまうのだろうか?

 ほかにも何かあったのではないか?

 何かあったとしたら、何故それを自分に打ち明けてくれないのか。

 打ち明けられないほどの何かなのだろうか?

 そうだとしたら、自分の捨てぜりふは由奈にどう響いたのか。

 ますます由奈を傷つけてしまったのではないのか。

 考えれば考えるほど、わからなくなっていく。

 

リカ「あぁ〜ん、スッキリしないなぁっ、もうっ!!」

 

 頭をかきむしりながら、思わず大声を出した。その時電話が音をたてた。

 

 Tururu・・・・・・

 

リカ「はい、姫ノ木です」

多恵子―小野と申しますが、リカさんは・・・・・・

リカ「え?なんだ多恵ちゃんじゃない。どうしたの?」

多恵子―なんだ、リカかぁ。声高いから緊張しちゃったよ。

リカ「えっ?そうだった?」

多恵子―今、何してた?

リカ「ん、ちょっと考えごとしてたよ。」

多恵子―もしかして・・・由奈のこと?

リカ「う・・・うん」

多恵子―そっか。今からそっちへ行ってもいいかな?

リカ「全然構わないよ。」

多恵子―私も、話したいことあるんだ。

リカ「じゃ、待ってるから。」

 

 リカは受話器を置いた。

 

 (そうだ、このイライラを多恵ちゃんに打ち明けてしまおう。)

 そう思うとリカの心は少し軽くなるようだった。

 

 

 

 


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