ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第10話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 理奈の言葉で背負いこんでいた秘密を減らすことはできたが、

 やはり生きた心地がしなかった。

 (自分が殺したんだ)という思いが、どうしても消えなかった。

 そんな由奈の気持ちをくみとったのか、毎日毎日、何度も何度も

 リカが訪ねてきてくれた。

 

リカ「由奈、あんたバカなこと考えるんじゃないわよ。

   あんたのせいじゃないんだから・・・」

由奈「でも・・・母さん、私を庇ったから・・・あんな目に・・・。」

リカ「あんたのせいじゃないよ。あんたのお母さんはあんたを

   心から愛していたから・・・。」

由奈「でも・・・・・・」

リカ「あんたがしっかりしなくてどうするの!あんたはあんたのお母さんの分も

   精一杯生きなきゃダメなんだからね、由奈!!」

 

由奈「リカ・・・・・・」

 

 由奈は我に返ったかのようにつぶやいた。

 

リカ「由奈らしくないゾ!元気出しなさいよ。」

 

 が、由奈はまた弱気なことを言い出した。

 

由奈「でも、私は医師になんてなれないよ、やっぱり・・・・・・」

リカ「今さら大学に行かないつもり?」

由奈「それどころか、医療に関わる仕事もできない・・・・・・」

 

 バシッ

 かわいた音が響いた。

 

リカ「バカッ!あんたそんなんじゃ何もできない。何弱気になってんの?

   あんたのお母さんはねぇ、あんたが立派な医者になるのを願って

   んのよ!!」

 

 毎日、何度言ってもわかってくれない由奈に、リカも疲れていた。

 

リカ「もう、帰る!!由奈なんか・・・どうにでもなりなさい!」

 

 捨てぜりふまで残してリカは由奈の家を出ていった。

 

 

 

 


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