ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜
2.進 路
第20話
Writer:星野さゆる
智菜ははじめてのドラマ主演によって、 確実に実力派若手女優として認められていった。 しかし、本人はただただ短大と撮影所の往復の毎日で、自覚はなかった。 そして、毎日のように短大の前にいる少年の姿も変わらなかった。 その姿を今は、智菜だけでなく由衣も見つけていた。 ある日、由衣は彼に話しかけてみることにした。 由衣「和馬くん、藤井和馬くんだよね?」 和馬「そ、そうですけど、何か?」 和馬は不思議そうに答える。 由衣「毎日智菜のところ待っているの?」 和馬「そういうわけじゃないケド・・・」 由衣「じゃぁ、どうして毎日ここへ?」 和馬「オレたちのバンドを認めてもらおうと思って・・・ 片瀬さんが認めてくれたら 世の中に広まるんじゃないかって思って・・・・・・」 由衣「その前に私も見に行っていい?ライブとか。」 和馬はさっきから変な感覚でいた。 知らない人に声をかけられ、その人がどうも智菜の知りあいらしいのだが、 なぜ、オレたちのライブを見たいんだ? 頭の中が?だらけになりながら答えた。 和馬「いいっすけど・・・・・・」 由衣は土曜の夜、和馬たちのバンド「BLUE」のライブを見に行った。 そして、すっかり「BLUE」というバンドを気に入ってしまった。 由衣「和馬くん、とってもよかった。私、気にいっちゃった。 またきてもいいカナ?」 和馬は今日、由衣が智菜の高校時代からの友人だということを聞かされた。 ので、由衣を利用できるものなら・・・と思っていた。 和馬「いいっすけど、できれば片瀬さんを・・・」 由衣「わかってる。智菜も連れて来るよ。またね。」 それから何度か由衣は「BLUE」のライブへと足を運び、 すっかり和馬と意気投合した。 |
Copyright 2004 立川ナツキ&星野さゆる. All rights reserved.
Never reproduce or republicate
without written permission.