ミステリーは止まらない

2.進 路

 

第11話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 

由奈「亮・・・さん?」

ひかる「やだ、由奈、亮のこと知ってるの?」

由奈「知っている人に似てただけ・・・。」

 

 

 由奈は平静を装った。

 しかし・・・

 

 

亮「由奈ちゃん・・・・・・」

 

 

 亮はこっちに近づいてきた。

 

 

由奈「ヤ、イヤぁーっ!!」

亮「会いたかった。ずっと謝りたかった。許してくれ・・・」

由奈「イヤ、こないで!あんたなんて知らないっ。大っ嫌いよぉ!!」

ひかる「亮、どうしてなの?私を好きだって言ってくれたのに・・・・・・」

 

 

 ひかるは顔色を変えて亮につめよる。

 

 

亮「ひかる、それとこれとは別なんだ。オレは謝らなくてはならないんだ。」

由奈「イヤ、あんたなんかキライよぉーっ!!」

 

 由奈は発表会のはじまる前のホールから飛び出して行った。

 そして、わきも前も見ずに走った。

 

 

 

 

 

 

 ゴン!

 にぶい音がして由奈は立ち止まった。

 頭が少し痛い。

 

満(以下みちる)「どうしたの、由奈ちゃん。そんなに走って。」

由奈「みちるクン・・・ごめんなさい・・・ちょっと色々あって・・・・・・」

 

 

 なぜか由奈は泣き出してしまった。

 遥の前以外では、はじめてのことだった。

 

 

みちる「何があったか知らないケド・・・

    そんなに泣きたいなら、泣きたいだけ泣いた方がいいよ。」

 

 由奈はなぜか、遥といる時と同じような気分になり、みちるに抱きついて

 しまった。

 そんな由奈をみちるはやさしく抱くと、耳もとで囁いた。

 

みちる「僕、やっぱり由奈ちゃんのことが好きだよ。」

由奈「えっ?」

 

 

 涙をふいて由奈は言った。

 

 

みちる「ずっと前から好きだったんだ。

でも、成宮が転入してきて・・・あきらめなきゃダメなんだって思った。

ケド、あきらめきれない。」

由奈「そんな・・・急に言われても・・・・・・」

みちる「返事がNOなのもわかってる。でも、今、伝えたくなったんだ」

 

 

 由奈は頭の中がメチャクチャになり、演奏も聞かずに家へ帰った。

 

 

 

 

 

 


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