ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜
2.進 路
第7話
Writer:立川ナツキ
ユナの家 ユナ「ただいま」 マナミ「あら、思ったより早かったね。ピアノどうだった?」 ユナ「思ったより手、動いた。 母さん、ピアノ習わせてくれてホントにありがとう。」 マナミはそういうユナの顔にちょっとびっくりした。 いつもより大人びた表情(かお)をした、ユナの顔に。 ユナ「何、びっくりした顔して。私の顔に何かついてる?」 マナミ「大人っぽい表情(かお)したからびっくりしただけ。」 ユナ「そう。じゃ、1時間ばかし、勉強してくる。」 マナミ「夕飯、部屋に持ってくよ。」 ユナ「ありがとう」 ユナは自分の部屋に入った。 ひとりになったとたん、由奈はさっきのできごとを思い出してしまった。 それは、幼い頃からきょうだいの様に育てられたふたりの、 初めて異性を感じた時だったかも知れない。 われにかえった由奈は、「何考えてんだろう、私」とつぶやいて、 いつものように机に向かい勉強をはじめた。 |
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