ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

2.進 路

 

第2話

Writer:立川ナツキ

 

 

 

 

翌日

 

チナ「おはよう、ユナ。昨日、片岡になんか言われた?」

ユナ「おはよう。成績下がってるって言われちゃった。」

チナ「仕方ないわよね。ま、でもお互いがんばろう。」

ユナ「そうね。」

チナ「最近、ますます元気ないね。何かあったの。」

ユナ「別に。何もないの、ただ・・・・・・。」

チナ「何、私たち親友でしょ。親友にも言えないの?」

ユナ「ごめん、今は言えないの。言いたくないの。ショックで。」

チナ「そう。わかった。言えるようになったら言って。力になるからさ。」

ユナ「ありがとう。ホントにごめんね。」

 

 ユナはチナの優しさに感謝した。

 でも、リョウとキスしたことは言えなかった。

 

ヨウ「よぉ、ユナ、何かあったのか。」

ユナ「別に何もない。何もないの。ホントに。」

ヨウ「何、ムキになってんだ?」

ユナ「ごめん。本当に何でもない。

   片岡先生に怒られちゃっただけ。成績下がってるって。ただ、それだけ。」

ヨウ「そんなに下がったのか?」

ユナ「さがったの。勉強に身が入らなくて・・・。」

 

  ヨウは最近のユナの身に起こったことを思い、無理もないと思った。

 

ヨウ「今日、一緒にするか?勉強。」

ユナ「ありがとう。でももう少し自分でがんばってみる。」

 

 ユナはそう言って深くため息をついた。

 

 チナとヨウは目を合わせて、ユナの方を見るが、もう何も言えなかった。

 

 

 

 


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