ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

2.進 路

 

第1話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

 受験シーズンも追い込みに入った11月のことだった。

 由奈は担任の片岡に呼び出されていた。

 

 片岡は神妙な顔つきで話をはじめた。

 

片岡「高岡、本当に第一志望を藤智大にするつもりか?」

由奈「えぇ、今のところは。」

片岡「最近成績が下がってきてるからなぁ・・・」

由奈「はい。」

片岡「もう少しなんとかならないか?」

由奈「次の模擬テストで上がらないようなら、変えるつもりです。」

片岡「お前は成宮が転入してきてからだぞ、成績が下がり始めたのは・・・」

由奈「そうですよね、やっぱり。」

片岡「成宮はこっちに来てから少し成績が上がったんだがなぁ。」

由奈「遥のせいじゃありません。個人的な事情です。」

片岡「お前みたいな子がどうして藤智を希望するのかも以前はわからなかったが、

こんな風になるとはなぁ。」

由奈「もしかしたら、大学へは行かないかも知れません。

   医療に関わっていたいんです。医師にはなれなくても臨床検査技師なら

専門学校で学べばなることができますから。

もちろん国家試験はありますけど・・・」

 

片岡「高岡には向いているかも知れんな。」

 

 そんな話を進路室で片岡とした由奈は、そのまままっすぐ家に帰った。

 

 

 

 


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