ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

1.由奈と遥

 

第18話

Writer:立川ナツキ

 

 

 ユキはヨウの席へいくと、

 

ユキ「ねっ、ヨウくん、放課後ひま?」

ヨウ「うん。ひまだけど、何、小泉。」

ユキ「話があるの。いいかな。」

ヨウ「いいよ。」

ユキ「じゃ、授業が終わったら待っててね。」

ヨウ「ああ。」

 

 

 そしてユキはそそくさと自分の席に戻っていった。

 

 

 

 

 

 放課後

 

 ユナとチナはタンポポへ向かおうとした。

 

カズマ「高岡さん。」

 

 校門の所で藤井に呼び止められた。

 

ユナ「何、藤井くん。」

カズマ「つきあってほしいんだけど、いいかな。」

 

 ユナは首を横にふると、

 

ユナ「今日はダメ。チナとの用があるのだから。」

チナ「これがうわさの藤井くんね。なるほど、見栄えのする顔だわ。」

カズマ「それはどうも、そっか。明後日は来てくれるだろう。」

ユナ「ま、ひまならね。じゃね、藤井くん。」

チナ「楽しみにしてるね。」

 

 ユナとチナは藤井と別れるとタンポポへ向かった。

 藤井は「チェッ」とつぶやくと2人とは反対方向へいった。

 ヨウはというと、ユキと近くのファーストフード店にいた。

 

 

 

 

 

 ヨウはハンバーガーにパクつきながら、

 

ヨウ「で、何だい。話って。」

ユキ「食べ終わったらね。」

ヨウ「初めてだよな。小泉と食べるのは。」

ユキ「いつもユナとだもんね。」

ヨウ「別にそういうわけじゃないんだけどな、気がつくと2人だもんな。昔から。」

 

 ユキはヨウの言葉にちょっと嫉妬した。

 

ヨウ「そういえば、秋山とはどうしたんだ?」

ユキ「今日は特別、先に帰ってもらったの。」

ヨウ「そっか。」

 

 ユキは食べおわると、遥が食べたトレイのゴミを捨てた。

 

ユキ「少し歩いてから話すね。」

ヨウ「そっか。じゃ、いこうか。」

 

 ユキとヨウは少し歩いた。

 公園へ近づくと、ユキは口を開こうとしたが、なかなか開けなかった。

 

ヨウ「そこのベンチでも座ろうか。」

ユキ「そうね。」

 

 ユキはベンチに座ると、気を抜くようにタメ息をついてから口を開いた。

 

ユキ「あのね、ヨウくん・・・・。ヨウくんのことが・・・・。」

ヨウ「何、オレがどうかした。」

 

 ユキは「すうーっ」と深呼吸すると

 

ユキ「ヨウくんのことが・・・好き。すきなの。」

 

 ヨウはびっくりした。

 

ヨウ「オレを好きだって。」

ユキ「好きなの。つきあってほしいの。」

ヨウ「ごめん、びっくりした。でもなぁ、急にいわれてもなぁ。」

ユキ「返事は今すぐでなくてもいいから。できれば早くほしいけどね。話はそれだけ。」

 

 ユキはベンチから立ちあがった。

 

ヨウ「小泉とはダチのような感じがして、その、ごめん。特別な存在じゃないんだ。」

 

 ユキはその言葉を聞くとスタンと座ってしまった。

 

ユキ「わかってたけど。そうか。そうよね。

   ヨウくんにはユナがいるんだもんね・・・・・・。」

ヨウ「ホントにごめん。小泉の気持ちはうれしいんだがな。

   ユナにはまだ言ってないけど、オレ彼女いるしな。」

ユキ「えっ、彼女いるの。」

ヨウ「あぁ。北海道にな。ユナとちょっと似てるんだ。」

ユキ「そうなんだ。てっきりヨウくんが好きなのはユナとばかり思ってたから。」

ヨウ「でも、ありがとう。オレを好きになってくれて。

   ま、今度ユリがこっちにきたら紹介するよ。」

ユキ「そっか、ユナにはいったの。」

ヨウ「言ってないよ。あいつがおちついたら言おうと思ってる。

   ま、ユナは初恋の女の子だしな。」

ユキ「早くいったほうがいいよ。ユナに何があったかは知らないけど、

期待させるのはダメだよ。」

ヨウ「わかってるんだけどな。できるだけ早くいうよ。ホントにごめんな。

友達でいよう。これからも。」

ユキ「ありがとう。告白したら少しスッキリした。失恋の痛手はキツイけどね。

あ、ひとつ言い忘れてた。これだけ言ったら帰るね。

あなたに逢えて、好きになってよかった。ありがとう。

それだけいいたかったの。じゃあね。」

 

 ユキはそういうと走って帰っていった。

 ヨウは何か言おうとしたが立ち去られてしまい、呆然としてしまった。

 

 

 

 


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