ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

1.由奈と遥

 

第14話

Writer:星野さゆる

 

 

遥「おはよう!由奈」

由奈「あ、おはよ。」

遥「元気ねーなぁ。またなんかあったのかよ?」

 

 今回は素直にうなずいた。

 

遥「なにぃーっ!おばさんがお前の実の親じゃないって!!」

由奈「うん。おおきな声でおどろかないで。

   まだはっきりしたわけじゃないし・・・」

 

 由奈はうつむき黙り込む。

 遥は沈黙を作らないようにとそのまま言葉をつづける。

 

遥「オレが聞き出してやるよ。ホントのことを。」

由奈「ダメだよ。母さんが悲しむよ。」

 

遥「おばさんからじゃなくって、うちの母さんからだよ。

  小・中・高と同じ学校だったって言ってたから、

  知ってると思うケド・・・・・・」

由奈「でも・・・」

遥「それより志望校決めたのか?マジで。」

由奈「志望校、かえちゃった。偏差値足りなくて・・・」

遥「実はオレもやっと決めたんだけどさぁ、最初の予定とかえたよ。」

由奈「はじめはドコにするつもりだったの?」

遥「京都大学」

由奈「うそだぁー。あんた私よりも成績わるいじゃん。」

遥「そ、それで気がついたわけ。」

由奈「ちょっと遅いんじゃないの?」

遥「そういうお前は?」

由奈「東京医大の予定でいたんだけど・・・

   浪人するのもやだから今のところは藤智にしようかなぁって。

   でもねぇ、あんまり行きたくないし、

   看護学校とかの専門学校にするかも知れない・・・」

遥「何だ!決まってないんじゃん。」

由奈「いいでしょう!別に・・・」

 

 これが遥のやりかただとわかっていた。

 必ずこうやってはげましてくれる。

 でも、私はこの遥の優しさに甘えすぎていたかも知れない。

 

 理奈が合宿から帰って来た一週間前も、亮が突然あらわれた二週間前も

 遥がいなかったら私はノイローゼになっていただろう。

 

 

 

 


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