ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

1.由奈と遥

 

第11話

Writer:星野さゆる

 

 

 由奈はそれを読んで泣き出した。

 

由奈「智菜ー。どーしよー!本格的にどーしよー!!」

智菜「あんたもFAXで手紙を送れば?」

由奈「頭いいっ!!」

智菜「あのねぇー。落ちついてれば誰でも考えられるってば。」

 

  トン,トン

 ドアをノックする音がした。

 

弥生「おじょうさん、紅茶を持ってきましたよ。」

智菜「弥生さん、ありがとう。」

由奈「すみません。わざわざ・・・・・・。」

弥生「ゆっくりしてって下さいな。お嬢さんはひとりで寂しいみたいですから。」

 

 そう言い残して弥生は部屋から去っていった。

 

智菜「さぁさぁ、お茶を飲んだら書きなさいよぉ。」

由奈「わかってるってば。弥生さんってどことなく智菜に似てるわねぇ。」

智菜「そうかなぁ?」

由奈「似てるよ。特に目元とかが。」

智菜「いっしょに暮らしていると、顔まで似てくるのかなぁ。

   母さんに似たいとは思わないケド、弥生さんに?そうかなぁ・・・?」

由奈「紙ちょうだい」

智菜「あっ、はい。コレに書いて!」

由奈「OK!」

 

 

  ―遥へ

 

   ごめん。突然ぶったりして。

   あの人物がお姉だと思いたくなかったの。

   傷口に塩を塗られた気がしてカッとなってしまった。

   遥がわざわざそんなことする人間じゃないことは、

   私が一番知ってるのに・・・

   でも、少しわかってやってください。

   この間、ついこの間ふられたばかりなのに

   彼を見つけるだけでも胸が苦しいのに・・・

   彼の相手が自分の姉なんて・・・・・・

   パニックになってしまったの。

   すべて私が悪かった。

   許してなんて言えないね。

   でも、あやまっておきたいの。

   遥は大切な友達だから・・・

   ごめんなさい

 

                      高岡 由奈―

 

由奈「これ以上かけない」

智菜「遥くんだもん、あんたの友達なんでしょう?許してくれるよ。」

 

 そしてFAXの返事がすぐにきた。

 

  ―由奈へ

   あやまんなくていいよ。お前は。

   これからも仲良くやろうゼ

            成宮 遥―

 

 

 

 

由奈「よかった。遥を失わずにすんだよ。

   智菜、ありがとう。本当の本当にありがとう!」

智菜「だいぶ元気になったわね。おなか空かない?」

由奈「そういえば・・・」

智菜「夕食にしましょう!」

 

 

 

 

 


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