ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

1.由奈と遥

 

第9話

Writer:星野さゆる

 

 

遥「なぁ、あれ・・・もしかして理奈さんじゃないか?あそこ歩いてんの。」

 

 由奈は目の前がまっくらになった。

 

由奈「まさか・・・」

 

 信じたくない・・・と言う気持ちでつぶやいた。

 

遥「なんかいい雰囲気だよな。やっぱあれってデートだよなぁ。」

 

 由奈はすっくと立ち上がると遥のほおをぶった。

 

由奈「遥のバカッ!!」

 

 そして店から走り出ていった。

 

 「遥なんて・・女心のカケラもわかっちゃいないんだから・・・」と思いながら

 

 雅人と理奈が歩いて行った方と逆の方向へひたすら走り続けた。

 由奈は頭の中がごちゃごちゃだった。

 「どうして姉さんと雅人さんがあんな風に・・・」

 

 一方、遥はというと、何が起こったのかまったくわからず、

 「待てよ」の言葉を言うひまもなく、ぼう然と立ちつくしていた。

 

 いつのまにか由奈は、家とは逆方向へどんどんと走っていた。

 

 

 

 

 


Copyright 2004 立川ナツキ&星野さゆる. All rights reserved.

Never reproduce or republicate without written permission.