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Anniversary


記念日1:ひまわりの季節(とき) 3


「ね、いたいの?ゆな、ないしょにしてあげるから泣いてもいいよ。」

 え?

「男の子は泣いちゃいけないってケンちゃんがいってたもん。  でも、とってもいたいんでしょ?」

「ぼく、いたくないよ。3才だもん。」

 そう、僕は今日3才になったんだ。
 お兄ちゃんになったんだから、痛くなんかないもんっ!
 ただちょっとびっくりしただけ・・・

「ゆなが男の子だったら泣いちゃうのに、えらいね。」

 そう言って彼女はまたほほえんだ。

「おすなば、好きなの?」
「うんっ、これからばあちゃんと『おしろ』つくるの。」
「ゆなも『おしろ』大好き!」

 彼女は満面の笑みで言う。

 笑うともっとかわいい・・・

 彼女の笑顔をもっと見ていたくて、砂遊びに誘った。

「じゃ、いっしょに作ろうよ。」





ほどなくハンカチをぬらしたばあちゃんが砂場へ駆け戻ってきた。

「ちょっとしみるけど我慢してね。」

ばあちゃんは手早く砂をとりのぞき、どこに隠し持っていたのか消毒薬を使い、手早く応急手当をしてくれた。























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