ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜

3.解けない謎

 

第22話

Writer:星野さゆる

 

 

 

 

リカ「由奈、ほら食べて。じゃなきゃ清香に申し訳ないでしょ?」

 

 リカは笑って由奈の口にチキンをねじこんだ。

 

由奈「ん、おいしー!!清香、おいしいよ!ありがとう。」

清香「よろこんでもらえて、うれしいよ。お互いがんばろうね。」

 

 その後はみんな、病院実習先でのよもやま話で盛り上がり、

 気づくとテーブルの上は空のお皿だけがならんでいた。

 

 

 

佳代「そろそろじゃない、多恵ちゃん」

多恵子「そだね。」

 

 佳代と多恵子が食器を片付けてキッチンへと消えた。

 戻ってくるとき、佳代はチーズケーキを多恵子は紙袋を持ってあらわれた。

 

佳代「これは多恵ちゃんからの差し入れ。」

 

 大きなチーズケーキを切り分けながら、佳代は言う。

 

佳代「みんな、甘いものは別腹でしょ?」

智恵理「もちろん!多恵ちゃんもすごーい。

    清香ちゃんのごちそうもおいしかったけどー。」

 

 目の色を変える智恵理を佳代は軽くあしらう。

 

佳代「はいはい、智恵理はあとでだよ。由奈、どうぞ。」

由奈「ありがと。ん、おいしー。ほどよい甘さ、ほどよい酸味。

   ふんわりしてるのに、濃厚な舌ざわり・・・」

 

 なんでだろう?多恵ちゃんのケーキを食べるのは、はじめてなのに・・・

 この味・・・なつかしい・・・

 

多恵子「実はね、うめさんにおしえてもらったの。」

 

 あ、そうだ。この味は・・・

 うめおばあちゃんが作ってくれた遥のバースデーケーキだ。

 

多恵子「これ、みんなでお金出しあって買ったの。」

 

 多恵子は紙袋から紙包みを取り出して。由奈に差し出した。

 

 

 

 


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