ミステリーは止まらない〜鎌倉・由奈伝説〜
2.進 路
第34話
Writer:星野さゆる
あっという間に秋が来て、飛ぶように秋も過ぎ去り・・・ やがて冬がやってきた。 あの夏の日以来由奈は遥に会っていなかった。 お互いに会うことを避けていた。 うめ「遥や、おとなりにおつかいに行ってくれんかのぉ。」 遥「大学受験が終わるまでは、どこへもお使いなんて行かないからな。 ばぁちゃんが何を考えてるのか知らないけど、たまには母さんを使って くれよな。母さん、ばぁちゃんに甘えてほとんど何にもしてない じゃないか!!」 遥は別にそんなことが言いたかったわけではなかった。 ただ、イライラしていた。 単なるヤツアタリだった。 うめ「そうかい。じゃぁ、がんばるんじゃよ。」 うめは遥がイライラしていることを重々承知だった。 由奈と海に行く前日、遥は久々に明るい笑顔を見せていた。 が、海から帰って来た遥からはその笑顔が消えていた。 海で由奈と何かあったことがはっきりと読み取れたのだ。 それからの遥が、イライラがつのるばかりなのもよくわかっていた。 そしてかわいい孫のために何もしてやれない自分を情けないとすら思っていた。 そして由奈は・・・ 明日は第2希望の大学の入試。 あさってからは病院実習・・・・と休む暇のないスケジュールが続いていた。 由奈「母さん、母さんは私がお医者さんになるのと医療事務をやるのと どっちがいい?」 真奈実「どっちでもいいわ。由奈のやりたいことなら、どっちでも・・・・・ だから、がんばってネ!」 由奈「ありがと。明日の試験もガンバるね!」 試験が終わり、病院実習がはじまった。 由奈は毎日、くたびれてたおれこむようにして帰宅した。 その頃遥は、すべり止めで受験した私立の秋星大・経営学部と 同じく私立の天海薬科大学に合格。 いよいよ第一希望の大学の受験をひかえていた。 由奈には内緒にしていたが、第一希望は由奈と同じ医大だった。 |
第二部 了
第三部へつづく
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